2023年2月18日

旅立ち

 あと17日で90歳になる。最近の体力低下は著しくて思いの1/10にも達しない。こんな状態だから明日の目覚めがあるのか、ないかは全く不明だ。だが恐怖はない、中々人間はよく出来て いると変な感心をしているところだ。

ともあれ90歳には何とか辿り着けそうだが、こればかりは予測どうりにはゆきそうもない。S さんの死亡に引き続いて、松原からT馬君、F雄君達、下級生の計報が届いた。皆さんは私の下 級生、それでも二人とも80歳は越えているはず、近しい人の訃報が次々と届いて寂しい限りで ある。

悲しいことだが、これは生き物の宿命、悔やんでも仕方がない。与えられた時間を全力で生き抜いて爽快感を味あう、これしか無い。それで自分に問いかける、今日一日全力をつくしたかと。 ところが私も生物だから老化には抗えない、そうボケである。しまったあそこは、こうすべきだった、これはああすべきだったと後悔することが少しずつ増えてきて、無用な反省で時間を費 やす、そして痛感する、私は平凡な人間なのだと。

しかし、逆境で思うように行かないと飲酒に溺れる人を何人も知っている。彼らが人生の終わり に失った時間を振り返って何を思ったか、意地悪では無いが知りたいものだ。帰らない時間を惜しむ愚はおかしたくないものだが、凡人の悲しさ、それは私にもある。 

しかし、生身の人間が90歳まで生きると様々な出来事があった。思うことの何分の一も出来なかったが、それでも身近な知人達の生き様に比べれば、それは貴重な時間になった。 2度と手に することのない宝石の時間に、そして今旅立ちの前の最期の時を慈しみながら振り返っている。

はからすも与えられた貴重な時間、 1 0 0%有効に使ったとは言えないが、私にはこれ以上のことは出来なかった。優れた家族に恵まれた幸運をしてもこれ以上のことは出来なかった。 でも素晴らしい人生だった、俺は全力を尽くした胸を張って言える。 

いい家内に恵まれ、素晴らしい子供たちの父親になれた。親父どんとカーチャンに5 5点ぐらい は欲しいと言えるのではないかと思っているのだが。

2021.2.4 見浦哲弥

0 件のコメント:

コメントを投稿

人気の記事