小板はアメリカ空軍の訓練空域エリア567の真下にある。ほとんど隔日おきぐらいに飛んでくるアメリカ空軍の戦闘機の練習時には長年聞き慣れた騒音でもうるさいなと感じることもあるが、馬鹿な東条さんが犯した敗戦のおかげだと諦めている。この地域には時折、やかましい騒音の対策をと声を張り上げる敗戦を忘れた世間知らずの御仁も現れるのだが、私は世界情勢を知る恰好のニュースソースだと利用させてもらっている。
随分以前のことだが北朝鮮問題で緊張が走った頃、峰一つ向こうの樽床ダムに急降下して急上昇する訓練が連日行われたことがあった。単機でなく複数機でね。部外者として眺めている私にも真剣味が伝わってきた。あれは北朝鮮の日本が建設した鴨緑江の大発電所爆撃の訓練だなと素人解釈をしたもんだ。
ところが今回は3機編隊で小板と八幡の境界近くの3基の無線塔の回りを高速で突っ込む訓練をしているように見えた。これは戦乱が起きたら韓国の通信網を破壊する訓練だなと理解したんだ。打ち続く平和でこの状態がいつまでも続くという世間の雰囲気も、切り口を変えてみれば動乱と背中合わせ、戦争を経験している老人には冷や汗が出るほどの緊張をもたらす、テレビもマスコミも私にとって異次元世界の住民という感じだ。
テレビ、ラジオ、新聞、ユーチューブ、私の住んだ時代と違って情報は氾濫して、平和は当然の雰囲気だが、アメリカ空軍訓練場の真下の住民として戦争が背中合わせの気配を感じているのは私だけかと不思議になる。
2019.12.13 今日はアメリカ空軍の戦闘ヘリが2機、編隊で深入山を旋回していった。超低空でね。 機首の機関砲はさすがに不気味である。まだ韓国の情勢が不安定なのか?
思えば、2.26事件のクーデターの犠牲になった松尾大佐のお葬式の記憶(遠い縁者)から、国家総動員法の徴集で経験した広島の大空襲、原爆、敗戦、それから焼け野原のバラックのお店での丁稚奉公、朝と夕方で値段が違ったインフレーション、そして朝鮮戦争、天地がひっくり返るほどの大発展、そして農村の没落、現在は世界第3位の経済大国、有為転変の大変化の中をよく生き延びたと我ながら感ひとしおではあるが、注意して観察すれば私の知る80年前からの混乱はまだ終わってはいない。
しかし、視点を変えれば現在も混乱と平和との混合の環境に住んでいる。気が付いていないだけ、生きるということは大変なことだと痛感している。
ただ、今日も平穏な一日を過ごすことが出来たと感謝することだけは忘れないようにと思う。そして困難のなかの人生を生き抜けたことを。
2019.12.7 見浦 哲弥
2019.12.7 見浦哲弥
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