コロナウイルスが世界中で暴れまわって順調だった世界経済は大混乱、コロナ対策とて外出の制限、集団会食の禁止?、等々、経済も急激な減速で、見浦牧場にも牛価の低下で甚大な影響が及んでいる。
コロナウイルスの出現で忘れていた私のウイルス歴を振り返ることになった。日本脳炎を初めとして麻疹やインフルエンザ等等、数多くある。病気は細菌によるものと単純に思い込んでいたが、振り返ってみたら投薬無しで何日も補液だけの治療が続いたことが何度もあった。あれがウイルスが元凶だった病気と最近勉強、少々気づき方が遅すぎる。
ところが昨年の11月、ヘルペス(帯状疱疹)を発症した。3日で前頭部の1/3と左目の付近まで患部が広がった。最初は細菌による化膿症かと思ったのだが広がり方が異常。実は一昨年、友人のM君もヘルペスを発症、顔が変形して入院したと開いたが、私には関係ないと開き流していた。ところが、嫁の亮子君が私の症状はヘルペスではないかと言い出した。これには驚いて安芸太田病院に駆け込んだんだ。診察した先生「ヘルペスですね、入院しますか」 と。相手がウイルスともなると抗生物質でと云うわけには行かない。翌日、可部の市民病院の4階に入院して闘病が始まったんだ。
貴方も御存知の通りウイルスには抗生剤は効かない。奴さんは細菌でないから、ひたすら体が耐性を思い出す時間を稼ぐしかない。その時間内で体力が尽きたら、終りとなる。したがって体力保持のためひたすら補液で時間を稼ぐ。ところがその体力が老人では衰えていて、死亡する確率が高いとくる。見浦牧場は生物の和牛を飼って生計を立てている。勿論、彼等も生物、 ウイルスから無縁ではない。若い個体は生命力が強いから人間の助力で大部分の患畜は立ち直るが、中には急速に伝染し対応のすべのないウイルスも存在する。これに侵入されたら悲惨である。公的な防疫機関が全頭屠殺し地中深く埋設する。豚も牛も例外はない。幸いこの地方では発生はないが、猪や熊くん、鹿君、狐、 たぬき等々の野生動物が増えてきた。牧場を牧柵で囲ってあるから安心と言うわけには行かないので、考えすぎかもしれないが危険が一杯と云うわけだ。
とは言え、これが私達が住む世界、ウイルスも細菌も全滅させて無菌状態の世界にする、そんなことは望むべきもない。与えられた条件の中で全力を尽くして生きる、それしかない。
私の体力が極限まで落ちてきた現在、与えられた残りの時間を全力で生きる、これが私に与えられた最後の命題である。
2020.9.3 見浦 哲弥
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