2018年10月6日

原爆の広島駅

2018年7月 インターネットで原爆直後の広島駅の写真を見た。橋の近くから見た広島駅正面の遠景は初めてだ。私の想像していた惨状より遥かに凄まじい。70何年前、原爆の12時間前にあの駅のドームの下にいた私が生き残れた可能性は限りなくゼロに近かったと恐怖が甦った。そして”正義の無賃乗車”の出来事はまさに間一髪の行動だったんだと再認識したんだ。14歳の少年にしては出来すぎた判断、行動だったと自分ながら感心している。

あれから起きた様々な困難も、人生プラス・マイナスゼロの原則で良いことがあればその逆が必ずあるという法則が適用されただけ、そして私は生き残った。

私の人生は良いことが51%と僅かに幸運が多かったと感謝しているが、あのとき切符をなくした向井くんを連れて帰ることで正論に背く行動をとったことが、間違いではなかったと来るから、人生の歩き方は難しい。

しかし、駅の大ドームの下にいた沢山の人たち、その内の幾人が生き残ったのだろうか、思い出しても心が痛む。70年もの年月の彼方だが、あの人たちの声が聞こえるのは私の心の迷いだろうか。

2018年7月 見浦哲弥

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