2018年9月19日

私の本

2017年1月、 ”ひろしま食べる通信”が取材の協力の謝礼として私の文章を小冊子にしてくれた。読み返してみると少々立派過ぎる。私も普通の人間で、裏切られたり運が悪かったりは一度や二度ではない、小人の常として不運を嘆き、他人を恨んだこともあったのに、前向きの私の美点?だけを書き並べてあると面映い。さて何冊かある本を誰に贈ろうかと思い悩む。折角の”ひろしま食べる通信"の好意が店晒しになって無駄になるのもと心が痛む。

先日、芸北運送の娘さんに贈呈した。本の中の”素直すぎる貴方に”の中に前社長との出会いが記録したあるからだ。どのような反応を示されるかは判らないが、あの出会いが芸北運送の発展の要素の一つだと私は解釈しているから、心を残して世を去った前社長に私のささやかな贈り物として、娘さんがそれを理解して父君に胸を張って報告ができたらと40キロ離れた彼の空に思いを馳せる。

もう一冊は青原木材の専務に贈った。牛舎の敷料としていた製材カスのオガクズが木造建築の減少で入手が困難になった。勿論、製材所が減ったとはいえ全く無くなったわけではない。しかし、可動しているのは大規模な近代化製材所と木材港周辺の大工場のみ。おまけに牧場も何百頭、何千頭規模の大牧場の出現で、私達のような小牧場はお余りを頂くだけ。そして需要が供給を上回っているのだから配送業者は値段を釣り上げる一方。そこでチップ工場の青原木材に目をつけてダストなる木粉を買い取ることにしたのだ。その関係で彼と因縁が出来た。大人しくて真面目で、人の先に立ってよく働く、成功者の3代目とは思えない姿勢、この一族の成功はまだ暫くは続くのでは思える生き方で感心している。

私の周辺には、このような人が少数ではあるが何人もいる、その人達から見ると私の小冊子など小人のたわ言かもしれないが、少なくとも私の生き方の一片を表現している。

その中で一つでも参考になる考え、生き方を読み取ってもらえたらと、若い人たちにばらまいている。

2017年1月 見浦哲弥

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