白髭といえば祖父の弥三郎爺様が見事な白いそして長い白髭だった。小柄な爺様が私達悪童3兄弟のいたずらを「ほうほう」と言いながら目を細めて眺めていてくれた。あれは昨日の出来事のような気がする。何ともなしで見ていた祖父の白髭、そして自分がその年齢になってみれば体の衰えとは反対に白い顎鬚は猛然と急成長?をしている。死後の老人の死体の顎鬚が伸びた話を聞いたことがあるが、まさにその話を裏付けるような顎髭の伸びかたである。
年齢以上に見られるのが癪で気をつけて剃り落とすのだが、これがカミソリがすぐ鈍刀になる丈夫な顎髭、体力の衰えとは反対のこの現象は私にはいただけない。そんなこんなで孫を含む若者たちを見ると、もっと青春を、人生を大事にしろやと声をかけたくなる。白髭の報告をするようになると人生は終わり。私も青春の年齢のときには人生の終わりなど考えたことがなかった。そこで自分のことは棚に上げて白髭になってからでは遅いぞと忠告したくなる。老人のお節介だがね。
2019. 6. 13 見浦 哲弥
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