2023年2月19日

運転免許終了

2021.2.21 運転免許の更新をしなかった。まだ運転は出来る自信はあったが老人の運転事故の報道が多発、老化で能力の低下は私も自覚していて、50キロ以上のスピードは出さないことにして注意を払ってきたのだが、やはり周囲の人からすれば90歳の老人が公道を走行するなど危険そのものと反対。その上老人の運転事故で死亡者続出と報道されれば、やはりこの あたりで自動車運転は止めるべきと、自分に言い聞かせたんだ。

とはいえ、20代中頃にマツダの軽三輪トラックを買って院てて免許を取りに練習所に通ったのが始まりで、運動神経が劣る私には免許取得は大きな障壁でね、何度も通っては落ちて自信を失っ たものだ。自慢するわけでは無いが、運動神経は人並み以下で周囲の連中には笑い話の種になっ た私の弱点の一つだった。

あれから65年、新車に乗ったのは親父さんが直腸癌で看病に広大病院と小板との掛け持ち往復をしたときだけ、最初は軽三輪で往復したのだが、故障の多い中古車では身動きが出来なくてね、有り金をはたいてパプリカの新車を買った、新車を買ったのは後にも先にもこれl台、空冷の2気筒で27馬力、シートはハンモック、暖房もラジオもなくてただ走るだけ、でも信頼性の高い車で、よく走ったね。ドライブに見学にと家族で走り回った。それ以後は、トラックから乗用車、軽自動車、トラック、ダンプと様々な車を乗り回したが中古車のみ、随分ひどい車もあっ て、牛の出荷の途中で故障、騙し騙し辛うじて家までたどり着いたこともあった。 

それでも、車のおかげで西日本だけだが多少は見聞が広がって、完全な井の中の蛙にはならなかった。私の置かれた人生では望外の見聞を得られたと満足している。

その運転免許証を失効させるのには流石に惜しくて迷いはあったね。しかし、最近のニュースに高齢者の引き起こす自動車事故の多発で死傷者の報道が話題になると、他人事では無くなって 免許証の失効を決意したんだ。

60何年に及ぶ運転歴の中で人身事故は起こさなかったから、それで良しとしなければと思っている。 しかし、小板の集落から外部へと思っても自動車の足がない今、随分と世界が狭まった感がある。私の持ち時間は後少しだが世界が自宅の周りだけになった。時折、親父さんのお墓の前で 「親父、まだ生きてるぞ」と報告する生活だけ、明日は判らないぞと思いながら。 

貧乏と言いながら自動車のおかげで多少だけれど世間が広がった。いい人生だった。もっとも現在はコンピュータを通り越して皆さん電子機器を手足のように使いこなす、私から見ると異次元世界、ま、自家用車の時代に行き合わせただけでも幸せとしなければと思うことにしている。 

大学に入学する孫の明弥のところに学校でコンピュータは必須だから購入して来るようにと通知がきた。 ザラ紙につけペンで勉強した私には現在は異次元である。

免許返納の老人が60年余りも恩恵に浴した運転免許証、失効の寂しさは思い出で補うことに している。

2021.2.21 見浦哲弥

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