情報を調べてみたら、蜜道のにおいがしとるとやっぱり入りやすいんだって。ほいで、秋の寒うなってからきやがったんで、こりゃぁ、その、冬が越せるか越せんか、問題じゃのうと思うて、ほいで、蜜をいっしょうけんめいやったよの。それが今は言語道断におおきゅうなって、わんわんやりよる。それみて、頭が働いたんよ。
あー、人間と同じやな。集団、特に日本人は一人じゃなくて、何人か集まらにゃできんけぇの。
集団があんまり小そうちゃあ、エネルギー発揮せんのや。自己増殖していかないんだ。あんまり小さくなってくと、どんどん小さくなっていく。
ほいじゃけぇ、どんなにつろうても、ほんとに大事な人材は、ある程度の数、もう、利益が出んでも、赤字が出んこう、つぶれさえせん限り、かかえていかなあかんのやなと、それをトヨタのやろう、知っているな、と、わしゃ思うたね、それ見て。
あんまりちがわんのんよ。おんなじ蜂が、おんなじ箱ん中はいって、ほいで一生懸命次々孵るんよ。卵産んでの、新しゅうどんどん出てくる。出てくるんだが、倒れていくほうが多い。
ほいじゃけ、経営する場合、一番大切な、今、日本みたいな会社は、資本で人材が一番大事なんね。人材のスケールをある程度まで落としてしもうたら、もうだめなんやな。
もうひとつは、信弥さん(注:弟)がいいよったように、分散してしもうたら、エネルギー発揮せん、たぁ、そのことなんやな。ある程度優秀な人間、一箇所に集めて、1つの集団つくるとそれが増殖し始める。
あー、蜂のやろう、こがぁなことを教えてんだ、と、こないだ、わしゃ思うた。すげえなぁ。
……
ほんで、こないだから、蜂をじーっと、わしもあそこを通ったら見よる。ほんで、出てきたら、ぴゃーっとある方向にいくんよ。
たしかに、こんなやつらは、この方向にあるよっちゅうのは、教えられるに違いない。
あとは、それでも、こんなやつらは、教えられたらその方向へいって、花を探して、蜜ひろうて、戻る。
これは全部教えちゃぁおらんぞと。教えよらんぞと。
それから、すりこみでもおそらくないぞと。
ちゅうのはの、この冬でも、ニ十何頭、三十頭ちこう、お産があって、今朝も2つお産があって、ひとつは乳をつけたんだけども、見る間に学習してくんよ。どこにお乳があって、で、体をどういう風に固定をして乳を吸やぁええかっちゅうのを、はじめあたったら、すぐ学習してくんよ。
ところが、中に学習できんやろうがおるんよ。
なんぼぅやっても、やっても、わしゃぁこうですよ、ゆうての。
ほんだけぇ、今から生き残る企業やっても何やっても、生き残るものは、人を育てるっちゅうけども、
もともと、ないものは育てられねぇや。
ほんだけぇ、まず、一番基本は、そがぁに飛びぬけとらんでもええけぇ、いわゆる、自分で学習していく能力を持っとるやつを探して、まず集める。
ほいで、優秀な奴つけて、そいつをひとつの集団になるように育てていく。
それしかにゃぁ、手がないんや。はっきりいやぁの。
2003/4/29 見浦哲弥談
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