2003年12月13日

商売の基本

見浦牧場と、芸北の事業団とがあれほどやってやりまくって、
とうとうこっちは残って、あっちはつやけて(注:つぶれて)しもうたけど、
あんなかに、なんでやろうねっていうのがどれほどあったかわからん。
そいだが、それは、一番基本的なことやねん。

「何を」作るんか、ということと、
「だれのために」作るんか、ということ、
それは、「何が」作るんか、いうことだけぇ。

ほいたら、それにおうた牛を作って、
肉屋のために作るんだったらサシをいれにゃぁいけんが、
そうじゃなくて、お客さんに作るんなら、
認められようが、認められまぁが、
おいしい肉を作りゃあえぇ、安全な肉を作りゃあえぇ。
それを認められるまで、何年かしらんが、もくもくとその間、積み上げて、積み上げて、積み上げて、積み上げて。

そいで、それを作るのは何や?
それを作るのは人間じゃのぉて牛なんや。

そうすると、牛をまずつくることが始まりや。
その牛の、なんでその京都の大学の先生のいうような牛をつくらにゃいけんのや、
神石の先生のいうような牛をつくらにゃいけんのや、
ここにおる牛をつくりゃあええんやん。

ここにおうて、格好がわるうても、ここでちゃんと子供を生んで、健康で、
人がどがぁ言おうが、そがぁなものは関係ないわぁや。

一番なのは、お客さんが喜んでくれて、
それを作るのは誰かゆうたら作る道具をちゃんとここに合うようにしてく。
そりゃ、商売の一番基本やん。

近頃よう、何であれだけにみんな、当時の本読んだりして、
京大の学士さんがいっっぱいきて、広島の技師屋さんがいっぱい来て、
なんであっちがつやけて、こっちが残ったんか。
資本も裂けるほどかけての。

そうすると、こりゃあ、金の大きさでもなしに、
人数の多さでもなしに、
一番大事なのは、何が一番ここに求められているかっちゅうことを
じーっと見抜くこと。それだけやなぁ、と。

2003.9.14 見浦哲弥談

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